第34回JAMAメダル展記念として打刻メダルを制作いたしました。
打刻メダルは大量生産が可能な技法で商業ベースのメダル制作では広く使われている技法ですが、大変多くの工程を必要とします。
以下に制作工程を紹介します。
石膏で原型を創ります。メダルのサイズは39mmですが原型のサイズは203mmです。
原型から型取りして雌型を造ります。この工程は樹脂でとる方法と電気鋳造でとる方法がありますが、ここでは電気鋳造で型取りします。
電気鋳造は技術的にはメッキに近い方法で電気的に原型の表面に銅を蓄積させていきます。
電気鋳造用の石膏型を作ります。
原型に金属粉を塗り電気が通りやすくして溶液の中で銅を蓄積させていきます。
雌型内側
次の工程ではこの形をなぞっていきます
雌型外側
203mmの雌型を元に39mmの金型を彫っていきます。
なお、この工程の紹介は2016年ベルギーのメダルメーカーMAUQUOYを見学した際に撮影させていただいたものです。
ジャン・ビエー式縮彫機です。回転する台に雌型と金型をセットしてレコード針のよりに形をなぞりながら金型を彫っていきます。倍率を変えることによって縮尺を変えられます。
MAUQUOYでは電気鋳造ではなく樹脂型を使用しています。
彫られた金型(MAUQUOY所有)
金型は彫刻後、焼き入れします。
円形に打ち抜いた地金を金型で挟んで圧力を加え地金に凸凹を写していきます。
凹凸が深い場合は数回に分けて打刻します。
注: 紹介画像はベルギーMAUQUOYのものです。「A cat in Sofia」ば日本国内で生産しています。
未処理。洗浄後、メッキ加工へ。
銀メッキ
燻し(硫化)加工後、研磨。完成。
研磨作業中、手作業です!
右のほうのは硫化後未研磨のもの。
モデルになった猫です。
ブルガリアのソフィアにいました。